株式会社あかりカンパニー

代表取締役CEO

Katsutoshi Watanabe     渡辺 勝利

インテリア工事会社から製造メーカーに舵を切り、

全国から注文が相次ぐ採光ブラインド「アカリナ」で急成長中の渡辺社長にお聞きしました。

©2015 Rencon Design Inc.

西村:
渡辺社長は特殊なブラインドやロールカーテン、採光フィルムなどによって、室内に上手に明かりを取り込むビジネスを立ち上げられましたが、それ以前はどのようなことをされていたのですか。 渡辺:
「わたなべ内装舎」という、45年くらいの歴史を持つインテリア工事会社が前身でした。地元岡山ではそこそこの規模の会社で、社員の他に職人さんも抱えていました。技術力があり、京都の駅や、岡山の病院、商業施設など、大型案件も随分まかされていたんですよ。 西村:
そうした立派な企業が、なぜ方向転換をはかろうとしたのですか。 渡辺:
正直、儲からないんですよ(笑)。インテリア部材は大手メーカーのもので、私たちはそれを取り付ける下請け業者ですから、常に安く、安くと要求される。仕事をしても借金が膨らむだけでした。 西村:
下請け業者の多くが抱える問題ですよね。価格交渉をしたら、今度は仕事そのものが他所に移ってしまう可能性がある。 渡辺:
そうなんです。結局、上に言われた条件でやるしかないんです。下請けは、そうした環境が染み付いているんですね。私は、それではいけないと思い、もっと攻めの事業ができないかとずっと考えていました。
西村:
現在のビジネスは、具体的にはどのようにして生まれたのですか。 渡辺:
現状を何とかしなければと思いつつ、何をしたら良いのかすぐには思いつきませんでした。何しろ、朝早くから遅くまで、現場に入ってインテリア工事をしていた人間ですから、他のことは何も知らないわけです。どうしたらいいかわからないけれど、これまで培ってきた技術なり知識をベースに活かせるものが何かないか、頭の中では常に考えていました。そして、たまたま参加した異業種交流会である人と出会ったのです。 西村:
異業種交流会ですか。 渡辺:
そうです。ある企業の社長さんが私の隣の席でこんな話をしていました。「たとえば約5万点ある車の部品を自動車業界に全部持って行っても、価格を安くしろと言われるに決まっている。しかし、その5万点のうちの一つか二つ、建築業界で使えそうなものを見つけてそこに持って行ったらビジネスになるのではないだろうか。そうしたことを模索、情報交換するのが異業種交流会なのではないだろうか」と。私は、その話を聞いてすぐに声をかけました。 西村:
確かに。同じものであっても、業種や市場、ターゲットを変えてみると新たな需要が生まれるケースはありますよね。 渡辺:
私もそう思って、話をしていた社長さんが何をしているのか聞いてみると、拡散フィルムなどの光に関わる製品をつくっておられる方でした。最初はインテリアには関係ないと思っていたのですが、その製品の元となるフィルムをお借りして会社の応接室に貼ってみたら、部屋全体がとても明るくなったんです。この技術をブラインドやロールカーテンに応用すれば、エコな暮らしに役立つのではないかと考えました。 西村:
それを思いついてからは、すぐに製品化していまのようになったのですか? 渡辺:
製品開発に至るまではそれなりに苦労しましたが、進むべき方向性が見えたので、迷わずにまっすぐ進むことができました。開発費など、お金の工面は大変でしたが(笑)。

ブラインドを従来の遮光から真逆の採光へと価値を返還させた「アカリナ」。太陽の光だけで驚くほどの明るさを生み出す。

西村:
いい製品が出来ても、その存在を知ってもらって実際に取引きをはじめるまでは大変ですよね。 渡辺:
まず、東京で毎年開催される大きな展示会に出展してみました。私たちの製品がどのように受け取られるのか、その反応を見るのが第一の狙いでした。また、他にも同じような企業がたくさん出展されているので、いろいろと見て勉強したり、名刺交換して話をさせていただくなど人とのつながりも大切にしました。 西村:
反応はいかがでしたか。 渡辺:
おかげさまで、たくさんの方から好評価をいただきました。大手のインテリア会社様や商社様が興味を持たれ具体的なビジネスの話に進展したり、金融関係のつながりも生まれました。エコという観点からテレビ局などからも取材依頼があり、広く紹介されました。 西村:
大成功ですね。時代にマッチした製品が良かったのでしょうね。 渡辺:
まだ始まったばかりで、成功だなんて全く思っていません。ただ、大手企業様から大量受注をいただいたり、インドなどの海外からも採用の話が来ています。以前は頭を下げる側でしたが、いまでは誰もが知っている大きな企業様の方から挨拶をいただいたり、対等の立場でプロジェクトに参加しています。かつてのことを思うと、いまの状況は信じられないですね。
西村:
先見の明があるというか、渡辺社長は先を見る力がおありなんですね。 渡辺:
いえいえ。私はただ無我夢中、がむしゃらに走っているだけですよ。私ひとりでは何もできません。 西村:
まわりの人は、渡辺社長をどのように見ているのでしょうか。 渡辺:
どうでしょう。チャレンジ精神は旺盛な方だと思いますし、こうと決めたら突き進むタイプなので、危なっかしく思っているのではないでしょうか(笑)。私は、まわりの人間には本当に恵まれていると思っています。そもそも、このビジネスのきっかけになったのも人との出会いですし、いまの会社を支えてくれているのも社員をはじめまわりの人間だと思っています。たとえば、幹部の中には、かつての取引先の人間がいます。何の保障もなく、この先どうなるかわからないビジネスに対して共感し、率先して会社を動かしてくれています。また、私はお金に疎い面があるのですが、それを心配してでしょうか(笑)、うちの会社ではもったいないくらい実力のあるコンサルの人材が、社員になりたいと言って入社し事業の進め方や財務関係を見てくれています。また、最初パートとして手伝ってもらっていた女性は、社内のこと、製品のことを知った上で適切にデザインしてくれる能力が高かったため、お願いして社員になってもらいました。人数は少ないですが、社員全員がそれぞれ力を発揮できるポジションで毎日全力で取り組んでくれています。本当にありがたいことだと思っています。 西村:
いい人が集まってくるというのは、渡辺社長の人柄なんでしょうね。会社はどのような雰囲気なのですか。 渡辺:
とにかく明るい。明るくて元気。明るい所には虫も寄ってくるが、人も集まってくるんだと、毎日言ってるんですよ(笑)。電話1本かけても、あの会社は違うって思われるくらいでないとダメだと思っているんです。何しろ、社名があかりですから、暗かったらねぇ、不安にさせちゃうでしょ(笑)。

スラット(羽根)は、弾力性のある柔らかい素材でアルミのように折れません。

また、触れても手を傷つけることもなく安全です。

西村:
事業転換してわずか数年で急成長したわけですが、今後もどんどん規模を拡大させていくお考えですか。 渡辺:
いくつか構想は持っていますが、踏み誤ってはいけないと思っているのは、私は企業規模の拡大や数字をあげるために働いているのではないということです。企業としてちゃんと利益をあげて、それを社員に還元し喜んでもらう。そして、みんな安心して長く働ける会社にすることが大事だと思っています。あの会社の人たち、みんないい顔して仕事をしているよね、と思ってもらえるようにしたいですね。そして、多くの企業の方に私たちの価値を認めていただき、製品を通して社会貢献できるようになりたい。いろんな方から、いろんな角度で応援していただけるような事業モデルを目指しています。 西村:
素敵ですね。 渡辺:
とにかく、チャレンジしなければ何も生まれないし、始まらない。チャレンジしながら走り続けることが大切だと思っているんですよ。私は今年51歳になりますが、幹部連中によく言っているんです、60までに燃え尽きるくらい仕事をしようと。そうしないと悔いが残るよ、と。いまの世の中は、何が起きてもおかしくないじゃないですか。昔と違い大企業だってなくなってしまう時代ですから、確かなもの、安定なんて幻想だと言えるでしょう。夢、目標を定めたら、そこに向かってがんばるしかないと思いますよ。もちろん、そのために勇気と覚悟は必要ですが。 西村:
新たにビジネスを立ち上げたり、大きく舵を切ろうとする時にはやはり不安が伴うものだと思います。でも、その大きな壁は覚悟や勇気でしか打ち破ることはできませんよね。そして、渡辺社長がおっしゃる通り、目標に向かって地道に努力する以外に成功の道は拓けないと思います。他に新ビジネスを立ち上げる上で、何か大切にしていることはありますか。 渡辺:
ビジネスチャンスは、まだまだたくさん転がっていると思います。ただ、多くの人はそれが見えないんですよね。気づきがないんです。まず、そこにチャンスがある、ということに気づくことが重要で、その気づきをどうするかということ。もし、できないようであれば、どうすればできるようになるか、きっかけを探ることですね。私は、気づきときっかけ、これが一番重要なんじゃないかと思います。運という言葉が適切かどうかわかりませんが、うまく行くためにはタイミングも必要でしょう。私たちの場合で言えば、それは東日本大震災でした。あの悲しい出来事を機に、エコに対する考え方がより強まったことが追い風となりました。また、当たり前ですが、感謝しながら仕事をしていきたい。お客様やお取り引き様、仲間がいることに日々感謝しながら頑張っていれば、一緒についてきてくれる人や、手を差しのべてくれる人が自然と現れるでしょう。私は、仕事とはそういうものだと思っています。 西村: 新たなビジネスを考えている方の力になる素晴らしいお話を聞かせていただき、ありがとうございました。今後ますますのご活躍、発展を期待しております。

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